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腰痛はよく見られる病気の一つです。椎間板ヘルニアや脊椎すべり症が有名ですが、腰痛の7割が原因不明といわれています。坐骨神経痛など原因がはっきりしているものは原因を軽減する治療を行います。例えば、椎間板ヘルニアであれば根治療法は手術かもしれません。腰椎の牽引を行い飛び出した椎間板による神経圧迫を軽くすることで症状が軽減することもあります。 では、残り7割の原因不明の腰痛にはどう対処するのでしょう? レントゲンを撮って骨の異常がない、神経学的診察で異常がない症例の多くは小さな細い神経が骨や筋肉の間にはさまって圧迫されることで痛みが生じていると考えられています。典型例は椎間関節による圧迫です。背骨を構成する小さな骨の一つ一つの間にある小さな関節ですが、ここに回りの組織やごく細い神経を巻き込んで痛みを起こします。病変のある椎間関節めがけて局所麻酔薬を注射することで劇的に痛みが取れます。また、病変部位が特定できない場合は、痛みのある部位に近い硬膜外腔に局所麻酔薬を注入する硬膜外ブロックも適応となることがあります。これらは痛みをとると同時に病変部局所の血流を良くし神経や挫滅組織の再生を促します。このような腰痛に対しては週2〜3回合計10回ほどのブロックで痛みが取れることが多いようです。 |
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←「硬膜外ブロック」 | ||||||||||||||||||||||||||
頚肩腕症候群 首、肩、上肢の痛みも比較的多く見られる病気です。これは上肢へ向かう神経の束がわきの下の筋肉や肋骨で圧迫されて起こる神経痛、背中や頚部の筋肉の部分的血流不全による凝りなどを総称して頚肩腕症候群と呼びます。原因はさまざまですが症状は首、肩、腕を一まとめにした上肢帯の痛みということになります。 筋肉の部分的凝りによる血流不全が原因の場合は筋肉の硬くなっている部位の筋膜を目標に局所麻酔薬を注射します。この部位は圧迫すると痛みが生じることより「トリガーポイント」と呼ばれ、この注射を「トリガーポイント注射」と言います。うまく行くと1回の「トリガーポイント注射」で痛みが完全に消えることもあります。 トリガーポイントが無い場合や、漠然とした上肢帯の痛みの場合、特に神経の圧迫症状と考えられる場合は、星状神経節ブロックが効果的です。ブロック注射は針を刺しますが、レーザー治療器や近赤外線照射による治療だと針を刺さずに(下図参照)同様な効果を得ることも可能です。また、頚椎症や頚椎の椎間板ヘルニアによる圧迫症状がある場合(手にしびれが生じる)は、首の牽引が効果的なことがあります。 |
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←「レーザー治療器による星状神経節照射」 | ||||||||||||||||||||||||||
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首の牽引→
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その他 三叉神経痛、特殊な頭痛(古典的片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)、術後痛(特に開胸術後痛)、癌性疼痛などがペインクリニックで取り扱われる病気です。糖尿病性神経障害による痛みの治療も行っています。 また、当院では慢性化した痛みを持つ患者様に、痛みが起こる原因がどこにあるかを、薬物を用いて確かめることで治療に結びつける検査を行っています。これは「疼痛機序識別試験」といわれます。慢性痛、とくに「神経因性疼痛」と呼ばれる頑固な痛みを持つ患者様に治療効果をあげています。 |
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