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この度、景勝の地沖縄の中でももっとも美しい地域、恩納村谷茶にユニットケアシステムを導入した谷茶の丘特別養護老人ホームが竣工し、入居者の方々の生活に少しでも潤いと個の確立、便利さを建物として提供でき、設計者として喜び名誉なことと受け止めております。
谷茶の丘特別養護老人ホームの設計に関われたのは、当社の福祉建築の設計に対して経験の豊富さ、ユニットケアに対する造詣の深さ、先進性、事例の多いこと等が評価されましたことは設計者としては大変幸運でした。
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初めて神谷理事長、神谷専務理事にお会いしたのが平成15年3月初旬で、LAU公共施設研究所所長の高橋と岩崎が同席させて頂きその席上において、設に無い<オンリーワン>を目指して設計して欲しい。具体的なイメージとしては「南仏風の風の吹き抜けるような」また、ゆつたりした時間が過ごせる建物を考えているとのご要望でした。
近年では特別養護老人ホームの入居者の居住空間としては、お年寄りの方々の活性化を図る為、8人〜10人単位で生活する<ユニットケア>の導入が提唱され、医学的にもお年寄りの方々の活性化には良い事例があげられています。
敷地に対する建物の配置から低層中密度のユニット集合体よりも、今回計画した高層低密度のユニットのほうが、場所の認識、平面(ゾーン)の明確さ、避
難経路の簡単さ、見晴らしの素晴らしさ、広いバルコニーによる光・風等自然の取り込み、景観の美しさ等うまく調和することができました。ひとえに、施設を運営し支持されている皆様の良きご理解と、深い造詣に感謝致します。
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設計・監理を担当されました株式会社LAU公共施設研究所様には、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
東シナ海が一望できるこの谷茶の丘に、神谷理事長が谷茶の丘特別養護老人ホームを開所されてから今年で30周年ですが、当初は道も電気も無い未開の地から、道を切り開かれ、給水のために何度も国道まで車を走らせたり、バス停を設置されたりと、ここ谷茶の丘のインフラ整備には多大なるご尽力をされたと伺っております。理事長を始め、常務理事、みなみなさまのご苦労、心よりお察し申し上げます。
少子・高齢化の進む昨今、介護を必要とされる高齢者の方が年々増加しており、特別養護老人ホームの意義は益々高まっております。 |
そのような中で、ここ「特別養護老人ホーム谷茶の丘.雅」は地上7階建てという日本で最高階数を誇る、いわば新しい日本の福祉社会の先駆けとなる建物と言っても過言ではありません。今回このような工事に携らせて頂いたことは、当社にとって非常に名誉あることだと社員一同感謝しております。
一昨年の12月26日に地鎮祭を挙行してから今年の2月5日の竣工式まで、当社と致しましても、皆様のご期待に添うべく、「英知と技術を結集して」工程・安全・品質・環境管理を徹底して行い、施工に当たってまいりましたが、何よりも、理事長を始めとする社会福祉法人
ゆうなの会の皆様及び株式会社LAU公共施設研究所様と、定例等で密な連絡・打合せを行ったことによる信頼関係が、工事を順調に進める最大の要因になりました。また幸いにも天候にも恵まれ、心配されました台風等の被害も無く完成を迎えることができ、建物を見る度に竣工の喜びが蘇ってきます。この工事で私自身も人として、また建築士として大きく成長できたと感じております。この何事にも代え難い経験を今後の仕事に生かしていけるよう、日々邁進して行きたいと存じます。
最後になりましたが、「社会福祉法人ゆうなの会」様及び「特別養護老人ホーム谷茶の丘.雅」の益々のご発展を祈念いたしまして、私の筆を置かせて頂きたいと存じます。
乱文雑文になりましたこと、ご容赦下さい。 |
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