暮らしイキイキ ひと口メモ
いつまでも、元気でいきいきと!
    
私たちの脳は、年をとると老化します。それは仕方のないことですが、かといってあきらめる必要はありません。ちょっとした工夫で、脳の老化を遅らせることができるのです。
 脳の司令塔とも呼ばれるのが、脳の前側にある「前頭前野」という領域。人間のさまざまな働きをつかさどっています。この「前頭前野」は、例えば、声を出して文章を読んだり、簡単な計算をしたりするだけでも働きが活発になるため、普段からそうしたことを心掛けておくと、ある程度、老化を遅らせることができると考えられています。指先を動かすのも、脳を刺激し、老化を予防する手軽な方法です。
 もう1つ大切なのが、食事の際、よく噛んで食べるということ。歯で物を噛むと、脳を刺激することができます。できるなら、いくつになっても自分の歯で、美味しく食事をいただきたいものです。
 また、昼寝の習慣のある人は、ない人に比べて認知症になりにくいという報告もあります。ただし、昼寝は長すぎないことが肝心。30分以内が最適です。脳の老化防止のためにも、30分くらいの昼寝をおすすめします。
 逆に、老化にとって大敵なのは孤独。いろいろな人と会話し、大いに笑うことも大切です。
◆新聞や本を声を出して読む。 日記を書く。
◆家計簿をつける(なるべく計算機を使わないで計算する)。
◆料理をする。  ◆折り紙を折る。  ◆楽器を演奏する。
◆趣味を持つ。  ◆よく噛んで食べる。
◆30分程度の昼寝をする。  ◆家族や友人との会話を楽しむ。

なるほど!納得!!生活情報
いざというときのために知っておきたい「成年後見人制度」
       
 高齢化が進むにつれ、認知症の高齢者の数は増加しています。同時に、判断能力が低下してきた高齢者の財産を、一部の親族が勝手に使っている、あるいは悪質な業者が狙っている、というトラブルも後を絶たないようです。
 「成年後見人制度」とは、精神上の障害(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など)により判断能力が不十分な人のために、本人の判断能力を補い、療養看護してくれる人を選任して、本人の生命・身体・自由・財産などを守ることを目的とした制度のことです。これには、法定後見人制度と任意後見人制度があります。
 本人や家族がい家庭裁判所に申し立てをして、本人の判断能力に応じて、成年後見人(本人の判断能力が全くない)、保佐人(特に不十分)、補助人(不十分)を選んでもらう制度です。
 成年後見人は財産行為に対する包括的な代理権を持っているため、本人の代わりに適切な介護サービス契約を結ぶ、必要な物を購入するといった法律行為を行います。万一、本人が成年後見人に無断で不動産を売ってしまった場合には、成年後見人がその売買契約を取り消すことができます。
 本人の判断能力が「特に不十分」とされた場合、不動産などの重要な財産を処分するなど、重要な法律行為を行うときには、保佐人の同意が必要です。
 本人の判断能力が「不十分」の場合にも、重要な財産処分行為については保護できるよう、補助人に同意権、代理権、取消権を与えています。
 成年後見人・保佐人・補助人には、配偶者や親族が選任されることが多いようです。
 精神上の障害により判断能力が不十分となった場合に備えて、自分が選んだ人と前もって契約(任意後見契約)をしておく制度です。将来、判断能力が不十分になったときの自分の生活や、自分がしてもらいたい療養看護・財産管理などについて、契約を定めておきます。任意後見契約は公正証書で行います。

山際千津枝の バリアフリー料理
食べやすく栄養たっぷり!エビと豆腐の器蒸し
やわらかい豆腐にエビで蛋白質をプラス
 お年寄りには栄養量はあまり必要ないのでは、と考えがちですが、蛋白質やミネラル、ビタミンなどの栄養素が不足すると血流が悪くなり、床擦れなどになりやすい、と言われています。それに、噛む力も若い頃の3分の1から4分の1に低下します。
 豆腐は介護食にとってなくてはならない食材ですが、水分が多いため、蛋白質の量は100g中に6.6r程度です。今回はエビを入れて蛋白量を補いました。エビを白身魚やミンチ等に変えてもOK。ありあわせの物で作って下さい。タレにオイスターソースを入れて旨味を補ったので、塩分を制限している方は調味料を半分にしても充分美味しく食べていただけます。
 大鉢で作って取り分けても小鉢で一人分作ってもきれいです。
 元気な方には蒸したての熱々を、お年寄りには少し冷まして差し上げて下さい。
               
■作り方
1.
エビは皮をむいて塩少々を振りかけ、もみ洗いをしてサラダ油を加え、ミンチにしておきます。
2.
豆腐は水気を絞ってエビと混ぜ、Aを加えた深めの皿を入れ、蒸し器で10分蒸します。
3.
Bを煮立てて2にかけ、小さく切った三つ葉を散らします。
  ※カロリー1/4人分 148キロカロリー

山際 千津枝
料理研究家・栄養士。
山際生活デザイン研究所主宰。

食品関連会社顧問、メニュー開発、執筆、講演、公的機関の委員、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活躍中。
生活感に溢れる話題とユーモアやウイットに富んだ話し方には定評がある。
著書に「おなかすいてない?」海鳥社。
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