血圧の高さは何によって決まる?

 この時期、体調を崩しがちですが、寒冷の刺激から影響を受ける「血圧」にも気を付けたいものです。そもそも血圧とは、血液が心臓から全身へと送り出されるときに、動脈の壁にかかる圧力のこと。心臓の左心室が収縮して血液を送り出した直後(収縮期)には、動脈の壁に最も高い圧力がかかっていて、このときの血圧を最高血圧といいます。逆に、心臓の左心房から左心室に血液が流れ込むのを待っているとき(拡張期)には、動脈の壁にかかる圧力も低くなります。これが最低血圧です。
 血圧は、心臓が1分間に送り出す血液の量(心拍出量)が多いほど高くなります。また、なんらかの原因で細い動脈の内部がさらに狭くなったり、血管に弾力がなくなったりしても、血圧は高くなります。

 
血圧を上昇させる要因は?

 私たちの体の中で血圧を調節する役割は、主に自律神経と腎臓が担っています。
自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、血圧は交感神経の働きが活発になる
と高くなります。その引き金となるのが排便・排尿、せきやくしゃみ、食事、喫煙寒冷刺激、階段の昇り降り、さらにストレスなどです。
 一方、腎臓は血液中の不要なものを尿に捨てて血液の成分を整える重要な働きをしていますが、腎臓病になると流れてくる血液の量が減ってしまいます。すると腎臓は流れてくる血液を増やそうとして、その結果、血圧は上がってしまうのです。
 高血圧は脳卒中や心臓病などを引き起こす危険性が高いため、日頃から塩分の取り過ぎに気を付け、バランスの良い食生活や禁煙、ストレスの解消などを心掛けて、血圧を管理したいものです。また、特にこの時期、トイレに行く時やお風呂に入る時は、急に体が冷えないように気を付けましょう。

 
《血圧の基準》WHO(1999年)
正常血圧 境界域高血圧 高血圧
最高血圧 139以下 140〜149 150以上
最低血圧 89以下 90〜94 95以上

《血圧の正しい測り方》
・毎日、決まった時間に測る
・10〜15分ほど安静にしてから測る
・測定の前に深呼吸をし、緊張をほぐす
・排尿、排便はすませておく
・腕を締めつける衣服は避ける
・測定前のタバコ、アルコール、コーヒーは避ける
・寒い部屋で測定しない





家の中にも危険が!

  いつまでも住み慣れた我が家で暮らしたいというのは、みんなの願いです。しかし、家の中にも敷居 (段差)など、障害物となるものはいろいろあります。最近は、住宅にも「バリアフリー」(障壁除去) の考え方が取り入れられるようになってきましたが、 古い住宅の場合、改修が必要なケースも少なくないようです。
 
居宅介護住宅改修費を上手に活用

 例えば、廊下や階段に手すりを付けたり、段差をなくす工事を行うことで、高齢者の移動範囲は大幅に広がります。それが、運動能力の向上、ひいては生活意欲の向上 にもつながるのです。
 こうした住宅改修の費用も、介護保険の給付対象となります。これを「居宅介護住宅改修費」といいます。かかった費用はいったん自費で支払い、その領収証などを市町村に届けることで、費用の9割(上限は1件につき20万円。市町村によって上乗せあり)が還付される償還払いとなります。転居し、そこで再度住宅改修を行った場合は、もう一度給付が受けられます。対象となる住宅改修の内容は全部で6項目。給付に際しては、高齢者の心身の状況住宅事情などについて、市町村が認めた場合に限ります。
 居宅介護住宅改修費を上手に活用して、自立しやすい安全で快適な住環境を整備したいものです。
 

《居宅介護住宅改修費の対象となるもの》





秋のおすすめ料理
さんまの香り揚げ

山際 千津枝



料理研究家・栄養士。 
山際生活デザイン研究所主宰。
食品関連会社顧問、メニュー開発、執筆、講演、公的機関の委員、 テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活躍中。
生活感に溢れる話題とユーモアやウイットに富んだ話し方には定評がある。

 里で作られるから里芋、山野に自生する芋だから山芋と呼ばれたのだとか。 今回は安価で手に入りアクの少ない長芋を使って料理してみましょう。 寒天で固めますが、硬くし過ぎないようにするのが食べ易さのコツです。
 山芋の成分はデンプンなので本来なら加熱しないと食べられないのですが、アミラーゼというデンプン消化酵素を持っているので生で食べる事ができるのです。一緒に食べるご飯等のデ ンプンの消化も助けてくれます。摺り下ろして麦飯や、蕎麦にかけるだけでなく、最近では生野菜にかけてポン酢でいただくサラダも流行っているようですね。

材 料 ※材料は4人分です
  出し汁 1/2カップ
  少々
  薄口しょう油 小さじ1/2
  ゼラチン 2袋(10g)
  大さじ2
  長芋 300g
  小葱 1/2束
  わさび 適量
※A 出し汁 1カップ
みりん 大さじ1
しょう油 大さじ1
     

作り方

1】 ゼラチンは分量の水でふやかしておきます。
2】 出し汁に塩と薄口しょう油を入れて煮立てて、[1]のゼラチンを入れて溶かします。
3】 山芋は皮を剥いて、摺りおろし、残りを刻んで混ぜ、熱い[2]をすばやく混ぜ込みます。
4】 湯飲みにラップを敷き[3]を入れて丸く包んで、輪ゴムで止めて冷蔵庫で冷やし、固めます。
5】 [A]を合わせて煮立てて冷まし、器に盛った山芋豆腐にかけ、葱とわさびを添えます。

1人分のカロリー  76キロカロリー