暮らしイキイキ ひと口メモ
「舌」は健康のバロメーター
 病院で診察を受ける時、よく「舌を出して」と言われます。これは、舌を見ると全身の健康状態がある程度分かるからです。もともと健康な舌はピンク色で、湿っています。ところが、疲れていたり、どこか悪かったりすると、舌が赤く腫れたり、表面がざらざらになったり、白いコケのようなものが厚くついたりします。
  舌の表面にあるヒダを「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と言いますが、ここに食べ物のカスや剥がれ落ちた粘膜などが付着して、灰白色や黄白色に見えることがあります。これが「舌苔(ぜったい)」と呼ばれるものです。
 「舌苔」は健康な状態でもついていますが、厚くなった時は心臓や肝臓、腎臓の病気、さらに感染症や糖尿病、胃腸障害などの心配があります。
 逆に貧血などがあると「舌苔」は消え、つるつるとした舌になります。
 舌の縁に痛みをともなうしこりができた時は、舌ガンの疑いがあるので、早めの受診をお勧めします。
 味覚は、「甘い」「塩辛い」「酸っぱい」「苦い」の4つの味に大きく分かれますが、舌の部分によって、それぞれ敏感に感じる味が決まっています。
 甘味を感じるのは舌の先端部分です。両脇の部分では塩辛さや酸っぱさを、そして奥の部分では苦みをよく感じます。食べ物を口に入れると、まず甘味と辛味を感じ、後味として苦みを感じるのは、このためです。
 また、味覚の感じ方は食べ物の温度とも関係があります。一般に、味覚が最も敏感になるのは10度から40度の間と言われています。塩辛さなどは、温度が高くなると感じにくくなるため、塩分の摂り過ぎに気を付けたい人は、味噌汁などをあまり熱くせずに飲むといいでしょう。
 味の好みの変化は、身体の変調を知らせるサインでもあります。極端な場合は、病気が疑われることもあるので、医師の診察を受けて下さい。
知っておきたい 今どき介護情報
介護保険で受けられる在宅サービス
介護保険では、介護を必要とする方がその能力に応じて自立した生活ができるよう、在宅・施設の両面にわたって必要な福祉サービス、医療サービスなどを提供します。介護保険制度がスタートして4年あまりたちますが、ここで改めて介護保険で受けられる在宅サービスについてご紹介しましょう。
家庭を訪問するサービス

訪問介護(ホームヘルプサービス)
  ホームヘルパーが家庭を訪問して介護や家事の援助を行います。
訪問入浴介護
  浴槽を積んだ入浴車で家庭を訪問して、入浴の介護を行います。
訪問看護
  看護師が家庭を訪問して介護を行います。
訪問リハビリテーション
  理学療法士や作業療法士等が家庭を訪問して、リハビリテーションを行います。
居宅療養管理指導
  医師、歯科医師、薬剤師等が家庭を訪問して、療養上の管理や指導を行います。

日帰りで通うサービス
◇通所介護(デイサービス)
◇通所リハビリテーション
施設への短期入所サービス
短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)
  介護を必要とする方を福祉施設または医療施設に短期間お預かりします。
福祉用具の貸与・購入や
住宅の改修
福祉用具の貸与
  車椅子やベッドなどの福祉用具について貸与を行います。
福祉用具の購入費の支給
住宅改修費の支給
  手すりの取付や段差解消などの小規模な住宅改修について、費用を支給します。
その他
痴呆対応型共同生活介護  ※要介護者のみ対象
  痴呆のため、介護を必要とする方々が10人前後で共同生活を営む住居(グループホーム)に
  おいて介護を行います。

特定施設入所者生活介護
  有料老人ホームやケアハウス等において提供されている介護なども介護保険の対象となります。
居宅介護サービス計画費の
支給
住宅介護サービス計画費(介護サービス計画作成費・連絡調整費)給付
  介護保険から全額給付を受けられます。
※詳しくはケアマネージャーにお尋ね下さい。
山際千津枝の バリアフリー料理
食べやすい!大根と人参、ホタテのやわらか煮
やわらかく煮て、見た目もおいしい一品に
 介護職で問題になっているのは、食べやすいようにと、なんでも細かく刻んでしまうことですが、食べ物の原型がわからなくなったようなものは、私達でも食欲をそそられませんね。お年寄りの分だけ、少し長く煮て柔らかく料理し、形のあるものを見せて、目の前でつぶしながら食べていただくのも一つの方法です。柔らかく煮た大根も人参もフォークの背で簡単につぶれます。
 ホタテの水煮缶は買い置きしておくと、利用範囲が広くて便利です。白菜やキャベツ等のように癖の無い野菜と煮てください。フレーク状の物が、ほぐす手間もいらず価格も安上がりです。三つ葉などの香りの良い野菜を使うと、ホタテの臭いが気にならなくなります。写真ではわかりやすいよう三つ葉を大きく切ってありますが、柔らかくゆでて小さく切って散らして下さい。
■材料(4人分)
  <A>  
■大根 ・・・500g ■出し汁 ・・・2カップ
■人参 ・・・50g ■酒 ・・・大さじ2
■ホタテ水煮缶 ・・・1缶 ■塩 ・・・少々
■三つ葉 ・・・1/2束 ■薄口しょう油 ・・・大さじ2
■しょうが ・・・1片 ■みりん ・・・大さじ1
       
■作り方
1.
大根、人参は短冊に切り、しょうがは薄切り、三つ葉はゆでて小さく刻んでおきます。
2.
鍋に<A>を入れて煮立て、ホタテと大根、人参、しょうがを入れて弱火でやわらかく煮含め、最後に三つ葉を散らします。
  ※1人分カロリー 91キロカロリー

山際 千津枝
料理研究家・栄養士。
山際生活デザイン研究所主宰。

食品関連会社顧問、メニュー開発、執筆、講演、公的機関の委員、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活躍中。
生活感に溢れる話題とユーモアやウイットに富んだ話し方には定評がある。
著書に「おなかすいてない?」海鳥社。(平成16年6月発売)